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進撃の巨人の最新話に驚きすぎてひっくり返った

 

 

 

進撃の巨人の最新話がやばすぎた。

 

最終回直前の138話である。

読み終わったあと、なんでこんなことが出来るのだろうと純粋に疑問に思ってしまった。

悲しいとか以前になぜ???という気持ちでいっぱいになった。

 

めちゃくちゃ面白いけどね!!!!!!

 

以下一応ネタバレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやコニーこの瞬間のために生かされてたんか????????

 

 

とめちゃくちゃびっくりした。

進撃の巨人の前半部分の理不尽に人が死にまくる展開を彷彿とさせる。

コニーとジャンは生き残ったんだな、たくさんの人たちも救われて、何となく和解しあって彼らの頑張りが報われたんだなからのあの無垢の巨人化して全滅の流れ、何???

ミストやめて逆ミストにしたのか??結局ミストなのか??と大混乱した。

思いついてもそれを描き切れる人間は殆どいないでしょと思う。

 

どうやったら報われる?って作中でも言っていたけど本当世界を救おうとしても報われない世界ファッキンである。

しかもエレンも想定していないだろうというのも余計につらい。エレンはエゴの塊ではあるが、彼なりに悩み苦悩しギリギリまで落ちつめられてあの決断をしたのだと最近ようやく分かってきたので尚つらい。(外の世界にがっかりしたっていうのも嘘ではないと思うが)

 

 

ただつらいつらいと思いつつそういえばこれが進撃の巨人の魅力だったなとも思った。

 

 

進撃の巨人で一番好きな話はウォールマリア奪還作戦なのだけど、主人公組の動きよりもあそこのエルヴィンと新兵の特攻死が一番心に残っている。

エルヴィンの演説と主張は正直はちゃめちゃ怖い。大局のために死んでくれって言われた新兵たちの気持ちを想うとエルヴィンは悪魔である。それでも新兵たちは特攻するのだ。特攻して死ぬか、このまま死ぬかならそうするしかない。怖いし死にたくないけど死ぬ。やばい。

話がズレるけれど鬼滅の刃でも似たような思想が出てきて少し怖かった。柱を筆頭に集団の未来のために自分は死んでも構わんみたいな発想が良しとされる集団、怖すぎる。調査兵団もそんな感じの発言がちょいちょい出てくる。戦時中か?という感じだがどっちの話も戦時中だった。

 

でも現代ではとても良しとされないであろう思想を残酷に描き切ってくれたウォールマリア奪還戦の猿の巨人戦が私は大好きである。

 特にここまでして猿の巨人を殺しきれなかった点がやばすぎだし、誰一人オレ喜んで死にますって誇り高い感じで特攻してないのも最高である。嫌だけどそれしかない人間たちのギリギリの精神の描き方がすさまじい。

 

そもそも進撃の巨人は意味のない死がとてつもなく多い、それがすごく平等に不平等で残酷だ。

開幕からなんの成果も得られなくて死人だけだしてる調査兵団とか、かっこよく先輩として出てきてあっけなく死ぬリヴァイ班とか、敵に情報をとられてしまい巨人に食われるミケとか。

死ぬことに意味なんてない、成し遂げられなくても成し遂げられても死はただの死だし、それによってとんでもなく世界が揺らぐこともないし運命は何も変わらない。誰でも平等にやってくるし不平等に襲い掛かるということを徹底的に書いてきた。しかもそれは自分たちに全く関係ない過去の遺恨が原因だったりするのだからどうしようもない。

 

 

だからどのタイミングでだれが死んでも当たり前。そう考えるとコニーとジャンが生かそうとした人たちもろとも無垢の巨人になってしまう流れも、まあ仕方ないのかなと思えた。悲しいけれど。

救いと言えば肩を組みながら二人が絶望しておらず、世界を救う羽目になったと笑っているところかなと思う。彼らは自分の終わりを知りつつ、後を託した彼らがこの局面を乗り切り世界を救いきると信じているのだろう、と思えるところかなあ。

ガビはまじで可哀そうだが訳も分からんまま家族に抱きしめられてるのはまだ幸せなのかも。

 

 

 

あと一話でこの話がどう終わるのか楽しみだけど同時にとても寂しい。

そういえば一話の「いってらっしゃい、エレン」の伏線、今回で回収してくれたけど本当にめちゃくちゃよかった。

一話読むごとに読み返したくなる凄い漫画だ。